【発熱時の観察項目】なぜそこをみるの?
患者さんが熱がある時、
どこをみるのか丸覚えするよりも
なんでそこを見るのかということを
考えると実習の時の観察や記録がスムーズでした。
今回は発熱時の観察項目をまとめてみました。
よろしければこちらもどうぞ→熱の仕組みおさらい
→効果的なクーリングとは?
★倦怠感
★活動量の低下の有無
★呼吸数
★食欲低下の有無
★嘔吐・下痢
★皮膚の乾燥
★尿量減少の有無
★口喝の有無
体温があがる
→甲状腺ホルモン分泌
→代謝が亢進する
→エネルギーの消費量が多くなる
→エネルギーが不足する
→疲れやすくなる
→倦怠感
体温があがる
→甲状腺ホルモンが分泌する
→代謝が亢進する
→酸素消費量が増える
→呼吸数が増える
→活動量が低下する
+倦怠感からくる活動量の低下
体温があがる
→アドレナリンが分泌される
→交感神経が優位になる
→末梢血管が収縮する
→心拍数が上がる
→呼吸数が増える
・体温があがる
→食欲中枢が刺激される
→食欲が低下する
※食欲中枢は間脳の視床下部にあります。
食欲中枢は血糖値が
上がったり下がったりした時に
満腹中枢や摂食中枢を
拮抗する形で働いています。
熱が高い環境のときは
代謝を抑制しようとして
食欲が減ります。
・体温があがる
→甲状腺ホルモンの分泌
→代謝が亢進する
→エネルギー消費量が増える
→エネルギー不足になる
→疲れやすくなる
→食欲が低下する
体温があがる
→甲状腺ホルモンが分泌される
→消化機能が低下する
→嘔吐・下痢・食欲不振が起こる
体温があがる
→甲状腺ホルモンが分泌される
→代謝が亢進する
→発汗が増える
→体液を喪失する
→皮膚が乾燥する
発汗が増えると皮膚機能が低下して
皮膚が汚染されます。
乾燥だけでなく、
そこからの掻痒感もでるので
皮膚の観察も大切です。
体温があがる
→甲状腺ホルモンの分泌
→代謝が亢進する
→発汗が増える
→体液が失われる
→腎血流量が減る
→尿量の減少
体温が上がる
→甲状腺ホルモンが分泌
→代謝が亢進する
→唾液が減る
→口喝
+体液減少→唾液が減る
覚えておきたい熱型の種類6つ
◎稽留熱
39度以上の高熱で1日の変動が1度以内で変動が少ない
→高熱が出っぱなしなイメージです
〈腸チフス、日本脳炎、結核性髄膜炎、大葉性肺炎など〉
◎弛張熱
1日の中で最高体温が39度以上で
変動が1度以上あるけれども平熱まで下がらない。
→熱が下がってきたかなと思ったらまた上がったイメージです
(膠原病、敗血症、腎盂腎炎、感染性心内膜炎など)
◎間欠熱
1日の変動が大きく、39度の高熱から平熱まで
下がることもある
→漢字の見ると間を欠(休む)となっている通りです。
(マラリア、胆道感染症など)
◎二峰性発熱
一度平熱まで解熱した体温が再び上昇して
グラフにすると二つの山ができるもの
(小児のウイルス疾患で多い)
◎不定形熱
大体の疾患がこの型です。
発熱の決まった変動がなく、
症状に合わせて体温が上がる
◎波状熱
発熱が39度以上あるときと
平熱の時期が数カ月単位で繰り返される
以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。