便秘の原因と看護とは?高齢者や女性に多い弛緩性便秘

便秘にも種類がある

患者さんが入院すると便秘になることが多いです。
特に高齢者では入院しなくても
80歳を超えると約50%の割合で
便秘であるというデータもあります。

どうして環境が変わったり、
高齢になると便秘になるの?ということで
今回は便秘の種類と原因、看護について
書いていきたいと思います。

簡単に排便のメカニズム!

食べ物を食べる
→食道を通って胃へ
→胃・十二指腸で消化
→小腸で栄養吸収
→大腸で水分吸収

→大腸の直腸に便がくると
(直腸内圧が40~50mmHgになると反射が起こる)
脳に刺激が伝わって便意がおこる
→肛門から排泄

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便秘は大きくわけて2種類!

器質性便秘機能性便秘の2種類にわけられます。

器質性便秘とは・・・

腸閉塞や腸の腫瘍などで臓器の形態上の異常で
腸が狭くなった、動かなくなったなどの
消化管の病気が原因となって起こる便秘です。

機能性便秘とは・・・

その名のとおり、
「腸の機能(動き)が悪くなったことによる便秘」です。

機能性便秘はさらに
★急性便秘
★慢性便秘
★医原性便秘
  にわかれます。

★急性便秘

【原因】
・食生活の乱れ
・環境が変わったことによるストレス
・運動不足
・水分摂取不足    など

★慢性便秘

排便が3~5日ない状態が1カ月以上続く状態です。
慢性便秘は3つにわかれます。

◎弛緩性便秘
◎直腸性便秘
◎痙攣性便秘

◎弛緩性便秘

弛緩性便秘とは・・・

高齢者や女性に多い便秘の種類です。
排便に至るには、
腸の蠕動運動という動きが必要です。

腸は腸の平滑筋という筋肉が
収縮したり広がったり、
うねうねしているイメージで
便を送り出しています。

弛緩性便秘は“弛緩性”といわれるように
その収縮したり広がったりという動きが弱くなっています。
腸の平滑筋の動きが悪くなった状態です。
そうすると上手く便が流れなくなります。

【原因】
・腸の蠕動運動が低下
・内蔵を支える筋肉量が減り、内蔵が下に下がった
・過度のダイエット  など

【薬剤】
大腸刺激系の薬剤を使用
→大腸粘膜を刺激して腸の蠕動運動を活発にします。
(ラキソベロン、プルゼニドなど)

便が固ければ、酸化マグネシウム系の薬剤で
便に水分を引き込んで柔らかくなるようにします。
※腎機能が悪い人は注意!

弛緩性便秘の看護とは?

・腹部マッサージ
・腹部温罨法
・活動時間を増やす
→体幹や下半身を鍛える動作など

・水分摂取の促し
・薬剤をDr.へ相談

・食物繊維を多く取るよう説明
→便の量が増え、直腸内圧が上がることで
腸の刺激となって腸の動きを活発にします

今回は以上です。
次回は直腸性便秘と痙攣性便秘について書いていきたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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