看護実習で役立つざっくり観察項目【呼吸器疾患編】
観察項目
・バイタルサイン(脈拍、血圧、呼吸、体温)
・呼吸状態
→呼吸様式(平静呼吸・頻呼吸・過呼吸・徐呼吸・努力呼吸など)
→呼吸音※、左右差
→リズム
→胸郭の動き
→呼吸困難感の有無
・SpO2
・痰の性状、量
・自己喀痰が可能か
・咳嗽(湿性、乾性)
・チアノーゼの有無
・検査データ
・胸部レントゲン所見
※副雑音は4つに分けられています。
1.断続性副雑音
→①水泡音:ゴロゴロ、ブツブツ
→②捻髪音:チリチリ、バリバリ
2.連続性副雑音
→③笛音:ヒューヒュー、ピューピュー
→④いびき音:グーグー、ゴーゴー
これにその患者さんに合わせた項目を付け加えてみて下さいね。
既往歴や喫煙歴も大事になってきます。
誤嚥性肺炎の高齢者は肺炎でも熱がでないこともあります。
熱型も大事ですが全身状態に注意しましょう。
呼吸様式については、呼吸補助筋と呼ばれる
首の胸鎖乳突筋を使ったり、肋骨を挙上させる斜角筋を使ってないかも
確認します。
普段は使用していないのでそこを使用して息をしていたら
頑張って息を吸わないといけない状態なので
すぐに報告しましょう。
SpO2が90%だとPaO2(動脈血)60Torrにあたり、
呼吸不全と言われています。
酸素解離曲線も国家試験にでることがあるのでぜひ覚えて下さい。
◎口腔ケア
誤嚥性肺炎で入院している人は
食事の時の誤嚥しないポジショニングや食事前の準備、
口腔ケアが大切になってきます。
食事のスピードが遅くなったり、元気がなくなったり、
食欲が落ちたりすると、あれ?と思いましょう。
◎排痰介助
痰がしっかり出せない人は聴診器で痰がどこにいるかを確認して
体位ドレナージを行ったり、
しっかり身体を起こして、腹圧をかけられる体勢にして
喀痰の援助を行ったりします。
適宜吸引も必要であれば行います。
◎精神面のケア
呼吸困難感というのは、生命の危機を感じる怖い事です。
入院中常に呼吸困難感がまた現れたらこわいなぁと
不安を感じていらっしゃる方も多いと思います。
COPDなどでしたら、呼吸法の指導など行って
患者さんが不安なく過ごせるように寄り添った看護が大切です。
余談ですが・・・
通常私たちの呼吸は体内の二酸化炭素が増えたり酸素量が減ったりすると
脳の呼吸中枢や末梢科学受容体というところを
刺激して正常に呼吸できています。
CO2ナルコーシスは
高二酸化炭素血症によって意識障害がおこるものですが、
COPDの患者さんは普段から体内の二酸化炭素が高い状態での生活に
慣れてしまっていて、
二酸化炭素の増加を感知して呼吸を増やす中枢化学受容野というところが
お休みしてしまっているので、
体内の二酸化炭素が増えても呼吸数を増やして二酸化炭素を
吐き出そうという機能が働きません。
なので体内の酸素量が減ってきて、
やっとこさ呼吸を増やせ!という命令が下るのですが、
そこに高濃度の酸素を投入してしまうと、
体内の酸素が足りたからもう呼吸しなくていいや!
と呼吸をやめてしまいます。
そしてCO2ナルコーシスになってしまいます。
そうなると、酸素量を下げていきますが、
意識障害があって、呼吸が不安定な場合は
NPPVや気管挿管が必要になってくる場合があります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。