【看護師のアセスメント】出血や脱水によるショック状態とは?

循環血液量減少性ショックについて知る


循環血液量減少性ショックとは、
出血や体液が20%(1/5)以上減ることで起こります。
それによって多くの臓器が機能不全になる可能性があります。

大量出血はもちろんですが、
脱水もこちらに入ります。
よろしければショックの徴候循環のメカニズムもご覧ください。
身体はこんな変化が起こります↓↓↓

低下するもの

★血圧低下↓
★尿量減少↓
★心拍出量低下↓
★CVP(中心静脈圧)低下↓

上昇するもの

★心拍数上昇↑
★末梢血管抵抗上昇↑

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ショックの血圧は90mmHg未満、
もしくは普段の血圧より30mmHg以上低下
すると
定義されています。

循環血液量が減少すると、
心臓から送り出す、酸素を細胞に送る血液の量が減るので、
身体の全身に酸素をいきわたらすために
心拍数を上げて、数を増やそうとします。
なので、弱い脈で頻脈(脈拍100回/分以上)になります。

循環血液量が減っても、
脳や心臓に血液が優先的に送ろうとするので
皮膚が蒼白になります。

末梢血管も血圧を維持したくて
交感神経の緊張が亢進して
血管がきゅっとなって、末梢血管抵抗も上がります。
冷汗もでます。四肢冷汗もあります。
血圧 = 心拍出量 × 末梢血管抵抗

呼吸は速い呼吸になります。
血液は細胞に酸素を送っているので、
それが少なくなると末梢まで十分に酸素が送れません。
そうなっても、臓器は動くためのエネルギーを得ないといけないので、
酸素を使わない嫌気性代謝をします。

嫌気性代謝は臓器が動くのに必要なATPエネルギーを作れますが、
嫌気性代謝をすると乳酸ができます。
これは酸性物質なので、身体がアシドーシスに傾きます。

代謝性アシドーシスの状態なので
二酸化炭素をたくさん出すために
呼吸の回数が増えて、頻呼吸になります。

循環血液量が減ると、
体液量を維持しようとして
尿量は減りますし、(20ml以下)
血圧も下がれば、尿自体生成が少なくなります。

骨折とそれに伴う出血量の目安


上腕骨 → 約300~500ml
肋骨1本 → 約100ml
血胸 → 約1000~3000ml

腹腔内 → 約1500~3000ml
大腿骨 → 約1000ml~2000ml
骨盤 → 約2000~2500ml
下腿骨 → 約500~1000ml

★治療★

輸液、輸血
場合によっては心臓のポンプ機能を高める薬
(ドーパミン、ドブタミン、エピネフリンなど)

ナースができること

◎異常の早期発見、観察
血圧が低下してくる前にも脈が速くなるなどの症状が現れます。

◎気道確保・静脈ライン確保・輸液準備
その患者さんの状態に合わせて酸素投与を行ったり、
もし静脈ラインが入っていなかったら、
なるべく太めの針(20G以上)で確保します。

◎保温
もし血圧が下がって大量の輸液などが投与されたら
体温も下がります。

◎家族対応
もし面会中にそんな状態になったら家族も動揺します。
一旦落ち着くまで説明して退席してもらい、
落ち着いた後に再度面会していただいた時の
家族のフォローをします。

異常の早期発見、対応がとても大事です。
普段のアセスメントに役立つことができれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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