浮腫の看護&観察ポイント、アセスメントスケールとは?

高齢者は浮腫になりやすい?

患者さんの足がむくんでいるっていう状況は
看護師をしていると、たくさん見かけます。
高齢者は特に下肢の筋力も低下して、
運動量も減るので
浮腫が起こりやすいです。

それだけではなくて、
何か病気のサインであったり、
浮腫の憎悪が病状悪化のサインであったりします。
そんな浮腫についてお伝えしていきます。

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浮腫はどこからくる?浮腫から考えられる疾患って?

浮腫から考えられる疾患

【全身性の浮腫】

☆特に下肢
→心不全など心性の浮腫

☆特に顔やまぶた
→急性腎炎やネフローゼ症候群、腎不全など腎性の浮腫

☆その他
→肝性の浮腫、低栄養、甲状腺機能低下症など

【部分的(局所性)な浮腫】

☆リンパ浮腫、静脈瘤の障害、炎症性など

浮腫はどこから?

1心機能
2肝機能
3腎機能
4リンパ管閉塞

1心機能障害:心臓の静脈側が機能低下
→静脈血が肺に送り出されにくくなる
→静脈側がうっ滞する
→毛細血管の静脈側の血圧が高くなる
→組織に浸出した水分の回収量が減少
→組織に水分が滞留します・・・血管外に水が溜まっている状態

2肝機能障害:肝機能低下
→タンパク質(アルブミン)を作る量が減る
→血液の膠質浸透圧が低下
→組織に水分が溜まる

アルブミンは血管内にあって
水と手をつないで、血管外の水を引っ張って
血管内に引き込んでいるイメージです。
手をつないで引っ張ってくるアルブミンが減ると
血管外の水が血管内に戻れず残ってしまいます。

3:腎機能障害
→水分の排泄量が低下する
→ナトリウムが貯留
→体血液循環量が増す
→血管内圧が高くなる
→組織に水分がでていく

4:リンパ管閉塞:末梢の組織から水分が回収できなくなる
→水分が滞留する

リンパ管は組織の水分を回収して静脈に運ぶ働きがあります。
ちょっとした水分の滞留は
すべてリンパ管の働きで解消されています。リンパ管には弁があります。
静脈と似ている構造をしていて、一定方向に流れます。
吸収された脂肪の輸送にも関与します。ただ、心臓のようなポンプ機能はないので
静脈内の血液が、骨格筋の筋ポンプや
胸腔内の内圧の変化による呼吸ポンプで
戻りやすくなるのと同じように
リンパの流れも筋ポンプや呼吸ポンプで
流れやすくなります。

浮腫のアセスメントスケールって?

医療機関によって評価はさまざまですが
ご紹介します。

浮腫のアセスメントスケール
10秒程度押して確認します。

【痕跡】+1
2mmぐらいのへこみ。わずかに圧痕が残る。

【軽症】+2
4mmぐらいのへこみ。明らかに圧痕を認める。

【中等症】+3
6mmぐらいのへこみ。骨や静脈が不明瞭になる。
15~30秒後も圧痕が継続する。

【重症】+4
8mm以上のへこみ。見てすぐわかる高度な浮腫。
四肢のサイズが通常の1.5~2倍程度

看護のポイントとは?

・皮膚を清潔に保つ

・皮膚の保護

・皮膚の観察


・in/outバランス、体重

浮腫がおこると・・
◎皮膚や粘膜は薄く伸展して傷つきやすくなる
◎組織の酸素不足で免疫力が低下→感染を起こしやすくなる

☆少しの外力で傷がつきやすいデリケートな皮膚の状態なので
清拭の時は優しく行う、
挿入物など肌に直接触れている部分の観察や
直接触れている部分にガーゼを巻いて
硬いところがあたらないようにするなどが大切です。

☆血行不良でもあるので
冷感を生じやすいです。
室温や寝具などで保温に努めます。

また褥瘡も起こりやすい状態です。
弾性ストッキングのゴムの締め付け部分で
褥瘡になることもあるので
適宜着脱をおこなったり、

同一部位に長時間圧が加わらないように
ポジショニングが大切です。

圧迫するものは除去!

☆皮膚の乾燥も大敵です。
皮膚が乾燥すると
同じ外力が加わっても皮膚が損傷しやすくなります。
保湿をしっかりしましょう。

☆足を挙上する
少し足を挙上すると血流の戻りが良くなって
浮腫が軽減しますが、
戻る血流が増えると
心臓に負荷がかかってきます
心臓の方は注意します。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
お役に立てると幸いです。

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