看護師がショックの判断に必要な循環のメカニズムとは?

ショックを知るにはまず循環のメカニズムを知っておく

血圧が下がって患者さんがショック状態に!
ていう状況はびっくりしますよね。
ショックの種類をアセスメントするためにも
循環のメカニズムをもう一度思い出すことが大切です。

フィジカルアセスメントって知ってますか?
Physical(身体的)assessment(評価・査定)
身体的な情報を意図的に収集して判断することです。

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循環を構成する3つの要素は?


1.心臓(ポンプ機能)
2.血管
3.循環血液量

1.心臓(ポンプ機能)

心臓のポンプ機能は
肺循環と体循環にわかれます。
心臓は、ポンプの役割をしていて、
血液を送り出します。

肺循環はその名の通り
全身から返ってきた血液を
肺で再び酸素をたくさん含んだ血液にします。

体循環は心臓からでた血液が、
身体全体の臓器に酸素を送ることです。

2.血管

血管は収縮機能と、拡張機能を持っていて、
内膜・中膜・外膜の3層構造になっています。

動脈は圧が強く血流も強いので、
それに耐えられるように厚く弾力があるのが特徴です。
中膜の平滑筋と弾性繊維が発達しています。

静脈の壁は薄くて柔らかいのが特徴です。
そして、静脈には弁があります。
全身から返ってくる血液が逆流しないように
上手いようになっています。

そして血管壁は網状になっているイメージです。
血液中にはたんぱく質があるので、浸透圧があります。

3.循環血液量

体液は体重の約60%あります。
そのうち40%が細胞内にあって、
残りの20%が細胞外にあります。

循環血液量は体重の8%(1/13)です。
体重が60kgの人だと、血液は約5Lです。
比重は1.055~1.066 pHは7.35~7.45です。

心機能とは?

心拍出量=心拍数×一回拍出量
と言われ、一回拍出量には
前負荷(循環血液量)・後負荷(末梢血管抵抗)・心収縮力が
関わっています。

前負荷は血液循環を想像していただいて、
心臓の前、後負荷は心臓の後というイメージです。

心拍出量を簡単に言うと、
トトロででてきた、井戸を思い浮かべて下さい。

思いっきりレバーを上下にすると
勢いよく水が出ます。

このレバーを上下する回数が心拍数。
思いっきりの力を加えて水を押し出すのが収縮力=血圧。
出てきた水の量と圧が循環血液量です。

さらに、その出てくる水のところに
ホースを付けることができたとします。
想像するそのホースの太さは人それぞれ違うと思いますが、
そのホースの出口が細いほど
水が出てくる量に対して抵抗が強いのがわかりますか?

この出口の太さが(後負荷)末梢血管抵抗です。
そしてホースからでた水の量が一回拍出量です。

血圧=心拍出量×末梢血管抵抗

脈拍数と心拍数は違う!?


脈拍数は心臓の収縮で送り出された圧が
末梢動脈の血管壁に脈波として示す拍動のことです。
心拍数とは心臓が1分間に拍動する回数です。
末梢の血流を見るためには脈拍を確認することが大切です。

脈拍でわかるだいたいの血圧


橈骨動脈(手首の親指側):80以上
大腿動脈(鼠経):70以上
総頚動脈(のどぼとけの横らへん):40~60

毛細血管再充満時間(CRT)

爪の根元を白くなるまでぐっと押した後、
爪の色が戻るまでの時間です。
元の爪の色に戻るまで2秒かかると、
末梢循環不全でショックの可能性が高いです。

まず、ショックを知るためにはこの
循環のメカニズムがとても大事になってきます。
次回はショックについて書きたいと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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