【訪問看護】知っておきたい皮膚の軟膏種類7つ

訪問入浴・訪問看護こんな時どれを塗る?

訪問看護や訪問入浴をしていると、
前回訪問時にはなかったスキントラブルを発見する場面があります。

患者さんの中には様々な軟膏を常備しておられるかたもいらっしゃいます。
こんな時はとりあえず何を塗布する?という疑問がありましたので
よく見るアズノール、ゲンタシン、オイラックスHなど
ステロイドと非ステロイドの塗り薬をまとめてみました。

とりあえずの応急処置として行って、
一応先生に診てもらうようすすめて下さい。

スポンサード リンク

ステロイド系と非ステロイド系の違いとは?

ステロイドホルモンは副腎皮質で作られるホルモンで
それを人工的に抽出して製剤化したものです。
強い抗炎症作用がある一方で、強い副作用が現れる場合があります。
特に長期使用では副作用が起こりやすいです。

非ステロイド系はその名の通りステロイドはホルモン剤ではありません。
そのため副作用も少ないですが、
効果はステロイド系に比べると低いです。
また、使用中にかぶれる方もいらっしゃいます。

【よく見るステロイド系軟膏】
★リンデロンVG軟膏
★オイラックスH
★ロコイド軟膏 
 など

【よく見る非ステロイド系軟膏】
★ゲンタシン軟膏
★亜鉛華難航
★アズノール軟膏

★プロスタンディン軟膏
★オイラックス
★ワセリン
   など

よくある軟膏7つの使い分け

【ステロイド系軟膏】

★リンデロンVG軟膏

内容は?
ベタメタゾン(ステロイド)+ゲンタマイシン(抗生物質)+ワセリンなどの油

禁忌
単純疱疹(口唇・顔面ヘルペス、カポジ水痘様発疹症、性器ヘルペス)、水痘(水ぼうそう)、帯状疱疹など
真菌(カビ)には効きません。

どんな時に塗る?
炎症があって細菌感染がある状態の時

・・細菌感染の状態・・
①赤い ②腫れている ③痛みがある ④触ると熱い
⑤(進行すると)うみや汁がでる

★オイラックスH

内容は?
ヒドロコルチゾン(ステロイド)+クロタミトン(痒みを抑える)

注意するのは?
細菌・真菌・スピロヘータ・ウイルス皮膚感染症
感染症を悪化させる可能性がある
荒れた皮膚、アトピーなどがひどい皮膚

どんな時に塗る?
痒みがあるとき
ステロイドは弱いけれど長期使用は避ける
ステロイドが配合されていない「オイラックス」より強力

★ロコイド軟膏

内容は?
中等度の強さのステロイド剤+ワセリンなどの油

注意するのは?
長期使用でおこる副作用

どんな時に塗る?
アトピー性皮膚炎、手荒れ・口唇荒れ、湿疹

子どもにも使用されるもので
顔や陰部などの皮膚が薄い部分にも使用できる

【非ステロイド系軟膏】

★ゲンタシン軟膏

内容は?
ゲンタマイシン硫酸塩(抗生物質)+ワセリンなどの油
細菌のたんぱく質合成を阻害して、細菌の増殖を阻害する

注意するのは?
副作用はほとんどない
薬によるアレルギー症状が出た場合は中止する

どんな時に塗る?
擦り傷、伝染性膿痂疹、掻き過ぎてできてしまった傷
※化膿止めに使う。炎症を抑える効果はない

★亜鉛華軟膏

内容は?
酸化亜鉛+ワセリンなどの油
(創部を乾燥させる特徴がある)

禁忌
重度の熱傷

どんな時に塗る?
浸出液があまりに多量で乾燥させた方が良い場合
汗が原因となる皮膚トラブル(オムツかぶれなど)
軽い皮膚トラブル

亜鉛華軟膏の作用3つ
①組織を収縮する作用
・・→傷口が小さくなる、分泌物↓=消炎作用
②消炎作用

③創部保護作用
たっぷりと亜鉛華軟膏を塗布することで
保護バリアになります。
“たっぷりと”がポイントです。

★アズノール軟膏

内容は?
ジメチルイソプロピルアズレン+ワセリンなどの油

①抗炎症作用
②抗アレルギー作用
③創傷保護作用がある

注意することは?
原料が植物性であり、
低刺激で副作用もほとんどないけれど
アレルギー反応がでたら中止する

どんな時に塗る?
作用は弱めなので軽い皮膚トラブル
小さなびらん、潰瘍
軽度の褥瘡、軽い熱傷、おむつかぶれ

顔や口唇、肛門周囲なども使える。

保湿効果や撥水効果があるので
臀部や陰部周囲の傷に塗ると
便や尿をはじいて傷を治りやすくする

★プロスタンディン軟膏

内容は?
プロスタグランジンE1+ワセリンなどの油
(血流を改善させる)

禁忌は?
重篤な心不全、出血を助長させてはいけない疾患
妊婦、妊娠の可能性がある人

どんな時に塗る?
褥瘡ができたら
血液循環を良くして肉芽の形成や表皮の形成を促進させる効果がある

今回は以上です。
お役に立てれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

スポンサード リンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする