【看護師のアセスメント】アナフィラキシーや敗血症ショックとは?

血液分布異常性ショックを知る


血液分布異常性ショックとは
アナフィラキシーや、脊髄損傷、敗血症などで起こります。

ウォームショックとも呼ばれて、
蒼白にはならず、手足が温かいのが特徴です。
最終的には、手足も冷たいコールドショックになるのですが、
とりあえず初めは手足が温かいショックです。

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血液分布異常性ショックのメカニズム

何らかの原因で血管が拡張して血圧が下がります。
血管の透過性が亢進して、血液の成分の血漿=水成分が血管外に
漏れ出てしまい、血液量が減って
酸素を運ぶ力が弱くなります。

血液にあるはずの水分が
血管外に移動してしまうため、血液分布に問題が起きたショックです。

◎アナフィラキシーショック


下がるもの
★血圧低下↓
★尿量低下↓
★心拍出量低下↓
★CVP低下(中心静脈圧)↓
★末梢血管抵抗低下↓

どちらともいえないもの
★心拍数↓→
そのままのものもあるし、
低下するものもあります。

アナフィラキシーショックの場合、
蜂に刺されたり、食べ物を食べたり、吸い込んだり、
アレルギーによってヒスタミンなどの体内物質が
大量に増えて血管が拡張します。
ヒスタミンは気管の収縮も引き起こします。

一番怖いのが喉頭浮腫です。
喉頭浮腫になると気道がむくんで
閉塞してしまい、息ができなくなります。

アナフィラキシーショックで問題になるのは
血圧低下呼吸停止です。

★治療★
・アドレナリン投与
→気道の浮腫を抑える、気管支を拡張させる、血圧を上げるなど

・気道確保、酸素投与
→アドレナリン、酸素投与後も気道狭窄が改善されなければ
挿管や気管切開が必要になります。

・輸液

◎敗血症性ショック


敗血症ショックも血液分布異常性ショックです。
感染+SIRS(全身性炎症反応症候群)が起こると

★血管拡張
★血管透過性の亢進
★炎症反応による体温上昇
★酸素需要亢進
  が起こります。

下がるもの
★血圧低下↓
★尿量減少↓
★末梢血管抵抗低下↓

上がるもの
★心拍数上昇↑

下がるかそのままのもの
★心拍出量↓→
★CVP(中心静脈圧)↓→

敗血症性ショックになると、
全身性の炎症が起こった状態ですので
血管が拡張して、血圧は下がります。

炎症が起こると血管内の水分も血管外に
出ていってしまって、循環血液量が減って、
酸素を送る力が弱くなります。

さらに炎症によって体温も上昇し、
代謝が亢進し必要な酸素量が増えます。
そうなると嫌気性代謝によって
乳酸が作られ、身体はアシドーシスに傾きます。
そして頻呼吸になります。

★治療★
・輸液
・昇圧剤
・抗生物質(感染源のコントロール)

患者さんの容態によって違うけれども
・呼吸管理
・血糖コントロール
・栄養管理
・ステロイド
・血液浄化法 など

◎脊髄損傷(上位胸椎より上の損傷)


下がるもの
★血圧低下↓
★心拍数低下↓
★尿量減少↓
★心拍出量低下↓
★末梢血管抵抗低下↓

下がるかかわらないもの
★CVP(中心静脈圧)↓→

脊髄損傷を起こすと、
交感神経と副交感神経のバランスがとれなくなります。

脊髄には交感神経が通っていて、
副交感神経は脊髄ではないところを通っているので、
副交感神経が優位になって徐脈となります。
そうなると血管は拡張し、血圧は低下します。

★治療★
・血管収縮薬
・徐脈にはアトロピン(副交感神経遮断薬)
・トレンデンブルグ体位(骨盤高位)

知識として普段のアセスメントに役立つことができると幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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