急性期脳梗塞の病態や治療,看護のポイントとは?瞳孔反射見るだけ?

急性期における脳梗塞看護のポイントや
脳梗塞の病態に沿った治療を書いていきたいと思います。
瞳孔反射は脳の異常を視覚的に確認できます。

正常の瞳孔経は2.5~4.0mmです。
左右の大きさが変わったり、形が丸ではなくなったり、
瞳孔の位置が変わったり、対光反射が弱くなったら注意です。
MMTや意識レベルも合わせて見ていくことが大切です。

理解するにはまず病態から!ということで
今回は脳梗塞の病態や治療における看護のポイントを
まとめてみました。

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脳の主幹動脈・脳梗塞の分類とは?

脳梗塞はその名の通り、
脳の血管が梗塞してしまうものです。

脳の大事な主幹動脈6つ

★前大脳動脈
★中大脳動脈
★内頸動脈

★後大脳動脈
★脳底動脈
★椎骨動脈

穿通枝(穿通動脈)とは?

穿通枝とは脳の主幹動脈から分岐した細い動脈です。
穿通枝閉塞はラクナ梗塞が良く知られています。

★レンズ核線条体動脈
★前脈絡叢動脈
★視床穿通動脈

★視床膝状体動脈
★上小脳動脈
★前下小脳動脈

脳梗塞には
◎深部の穿通枝の血流障害で起こる症状が軽い場合が多いラクナ梗塞
◎症状が階段的に悪くなることがあるアテローム血栓性脳梗塞
◎急激に発症して梗塞巣が広範囲な心原性脳梗塞

があります。

その梗塞の原因によって3つに分類されています。

①血栓性
②塞栓性
③血行力学性

①血栓性
アテローム硬化によって狭くなった血管に
血栓がつくられて閉塞します

②塞栓性
頸動脈などのアテローム硬化のところに
血栓ができて、その一部がはがれて
脳動脈を閉塞します

③血行力学性
脳の主幹動脈に高度な狭窄があって
今までは血管を拡張したり、
側副血行路でなんとか血流を維持できていた状態だったけれど
脳の血流が低下することが起こった時に脳梗塞になります

ラクナ梗塞

・深部穿通枝の血流障害
・直径15mm未満の小梗塞
・好発部位:被殻、視床、内包、放線冠、橋
・運動麻痺のみ、感覚障害のみなどの軽い症状が多い

BAD(分枝粥腫病)って知ってますか?
症状が軽いといわれるラクナ梗塞ですが
同じ穿通枝動脈の閉塞でも注意するべき病態があります。

BADとは穿通枝の入り口が閉塞します。
こちらは15mm以上の縦に長い脳梗塞です。
穿通枝の根元が梗塞することによって
麻痺が進行していく可能性があります。

アテローム血栓性脳梗塞

・脳の主幹動脈や頸動脈、大動脈のアテローム硬化によって起こる狭窄や閉塞
・症状が階段的に悪くなることがある
・失語、失認、意識障害などを認めることが多い

心原性脳塞栓症

・非弁膜症性心房細動によって心臓でできた血栓が塞栓子となる
・急激に発症して、症状が完成
・梗塞巣が広範囲で高度な脳浮腫が起こる
・血管再開通後に出血性梗塞を起こす可能性が他の脳梗塞より高い

脳梗塞の病型別治療とは?

ラクナ梗塞
★血圧コントロール
★脳保護療法
★rt-PA静注療法

★抗血小板療法
★抗凝固療法+抗血小板療法(BAD)
★抗脳浮腫療法(BAD)
★経口抗血小板療法

アテローム血栓性脳梗塞
★血圧コントロール
★脳保護療法
★rt-PA静注療法

★抗凝固療法+抗血小板療法
★抗脳浮腫療法
★経口抗血小板療法

心原性脳塞栓症
★血圧コントロール
★脳保護療法
★rt-PA静注療法

★抗血小板療法
★ヘパリン
★経口抗凝固療法

看護のポイント抗血小板療法・抗凝固療法【出血性の合併症に注意】

抗血小板療法

★観察:口腔粘膜・皮膚・消化管出血
意識レベルの変化・MMTの変化・瞳孔所見

★看護:末梢ルートなどの抜去時などの止血
患者、家族に出血のリスクについて説明
転倒や打撲時の注意や、血が止まりにくくなることなどを
説明していきます。

★アスピリンは気管支喘息に禁忌!
既往歴の確認をお忘れなく!

抗凝固療法

★観察:口腔粘膜・皮膚・消化管出血
意識レベルの変化・MMTの変化・瞳孔所見

★看護:末梢ルートなどの抜去時などの止血
患者、家族に出血のリスクについて説明
転倒や身体を打ったりすると内出血ができやすくなる、
血が止まりにくくなっている状況や
歯医者さんに行ったら内服していることを伝えたりすることなど・・

★ワーファリン:ビタミンKを含む食品の制限の説明
ワーファリンはビタミンKの活動を抑えて血をサラサラにしてます。
ビタミンKを含む食品を食べると薬の効果が弱くなってしまいます。
(納豆・クロレラ・緑黄色野菜など・・)

※INR値を2.0~3.0に維持
INR2.6を超えると出血性合併症が急増!

★採血データに注意
腎機能障害・肝機能障害がないかを確認します。

★NOAC(非ビタミンK経口抗凝固薬)は
半減期が短い(8~14時間)ので、
飲み忘れると脳塞栓症のリスクが高まるので
確実に内服できるように教育・指導をします

今回は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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