15年ぶり!敗血症のガイドラインが改訂されたの知ってますか?
敗血症のガイドラインが2016年、15年ぶりに改訂されました。
ガイドラインって医者が気にするものだと
思う方もいらっしゃるかも知れませんが、
看護師も知っておくべき情報です。
今回の改訂で変わったところは「重症敗血症」という言葉がなくなって、
臓器障害を引き起こす重篤な状態のみを敗血症としました。
前のガイドラインでは、診断が動脈血採血をとらないといけないなど、
ICUでないとできない内容でしたが、
今回の改訂でICU以外、
一般病棟でも早期発見ができるようになっている
qSOFA(クイックSOFA)というものが新しくできました。
以前敗血症ショックのメカニズムでも
お伝えしましたが、
敗血症は重症化すると命の危険があるこわいものです。
ショックをおこさずとも
敗血症は多臓器不全をおこすこわいものなので、
知っておくと異常の早期発見につながりますし、
看護師がとるべき次の行動が読みやすいです。
敗血症は簡単に言うと
細菌が血液中で増殖しておこるものです。
肺炎や、尿路感染症など、
敗血症を起こすリスクは入院している患者さんみんなもっているといえます。
さらに敗血症は、
高齢者の病気ともいわれるほど、
高齢者で敗血症になる確率が高いです。
高齢者の入院で多い疾患の中には肺炎などもあり、
ぜひ知っておきたいものです。
ICU以外でも敗血症のスコアリングができるqSOFAとは?
★収縮期血圧 100mmHg以下
★呼吸数 22回/分以上
★意識変容
感染症がベースにあって、この3つのうち2つ以上該当すれば
敗血症を疑うという簡単なものです。
異常の早期発見ができれば、
早期治療が出来て、
集中治療室での管理を考慮するなどして
重篤な状態を避けられます。
「感染症が疑われる」
というところから敗血症の判別手順がスタートするので
感染症が疑われないとスクリーニングが始まりません。
このqSOFAで敗血症が疑われたら
臓器障害評価をして、
SOFA※でスコアリングをして
敗血症の確定診断となります。
ただ、このqSOFA、
敗血症の人ではなくても
せん妄や、呼吸器疾患などで呼吸が速くなっていたりしていると
qSOFAの点数に引っかかってくるので
そこが難しいところです。
※SOFA
・呼吸器(PaO2/FiO2)
・凝固能(血小板数)
・肝臓(ビリルビン)
・循環器(平均動脈血圧)
・中枢神経(GCS)
・腎(クレアチニン、尿量)
これらをスコアリングしていき、
2点以上の急上昇で敗血症の診断となります。
今回のガイドラインの敗血症性ショックの定義に
低血圧(循環不全) + 細胞・代謝異常
が追加されました。
敗血症性ショックは
どんどん輸液を負荷していっている状態でも
平均動脈血圧が65mmHg以上維持するためにドパミン・ドブタミンが必要であったり、
乳酸が2mmoL/L以上だと
敗血症性ショックと診断されます。
敗血症かも?となったら看護師はどうする??
★治療の流れ★
1.どんどん輸液を入れる
2.血糖コントロール
3.抗生剤投与
のような感じで治療は進んでいくので
末梢ルートがなかったら取る準備をしたり
輸液の準備をしたり、
採血の準備をしたりと行動します。
場合によっては原因菌特定のため血液培養も実施されると思います。
循環が保たれている場合でも
これからショックを起こす可能性は高いので
モニタリングをしっかり行います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。