どちらが危険?高血糖?低血糖?【看護師のアセスメント】

糖尿病をもっている人は右肩上がり?


糖尿病をもつ人は
2014年の調査結果で約320万人と言われています。
2011年の調査結果は約270万人でしたので、
3年間のうちに右肩上がりという状況でした。

医療機関にかかっていない人、
健康診断など受けていない人も含めると、
2017年となった今、
糖尿病患者はおそらくびっくりするぐらいの人数となりそうです。

看護師は糖尿病をもつ患者さんに
インスリンの投与や、
血糖が上がり過ぎないようにする薬の内服に
関わる機会がとても多いです。

高血糖が続いていると
動脈硬化や、傷の治りが遅く、
神経障害と合わさって、傷ができてもわからなくて
そこから菌が入って、最悪足を切断なんてこともありますので、
普段からの血糖コントロールはとても大事です。

ですが普段、身近に扱っている血糖をコントロールする薬は
使用方法を間違えるととても怖い薬なので
知っておくと良いことをお伝えします。

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血糖値の正常範囲

空腹時血糖 70~110mg/dl
70mg/dlを下回ると低血糖症状が現れるといわれています。

何度も低血糖を繰り返している場合は
自覚症状がほとんどでないことが多いです。

低血糖の症状


血糖値70~50 空腹感、あくび、悪心
血糖値50~40 無気力、倦怠感
血糖値40~30 発汗(冷汗)、動悸、振戦、顔面蒼白、紅潮
血糖値30~20 意識消失、異常行動
血糖値20~10 けいれん、昏睡

低血糖を引き起こす原因

外因性
★糖尿病治療薬
★空腹時のアルコール多量摂取
★薬剤性低血糖
(抗不整脈薬のジソピラミドや、ジベンゾリンなど・・
腎機能が低下していると、
薬剤の排泄が遅くなるので血中濃度が上がりやすく
副作用もでやすいです。)

内因性
★胃切後のダンピング症候群
★胃下垂
★インスリンの効きが良すぎる人

怖いのは高血糖より低血糖!?


糖尿病の患者さんが危ない状態の時って、
糖尿病性ケトアシドーシスを
思い出す方もいらっしゃると思います。

学生時代にクスマウルの大呼吸が出るんだと聞いて
なんだそれ!と思った記憶があります。

糖尿病性ケトアシドーシスは
血液中の糖を細胞内に運ぶカギのような役割をしている
インスリンが上手くでなかったりして、
超高血糖状態になります。

細胞は普段、糖を原料にしてエネルギーをつくっていますが、
それができなくなり、脂肪酸をつかって
エネルギーを作ったところ、
脂肪酸をエネルギーにする時に発生するごみのようなものが
ケトン体という酸性物質です。

それが身体の中に溜まって
身体が酸性になって、つまりアシドーシスになることで
昏睡状態に陥るこわいものです。

ですが、もっと怖いのは低血糖です。
なぜなら、低血糖は突然亡くなることもあるからです。

高血糖でケトアシドーシスになった場合、
危ない状態ですが、
変な言い方ですが亡くなるまでには少し時間があります。
脂肪を分解してケトンが代謝されるという
段階を踏まないといけません。

低血糖がおこると、脳の細胞が代謝ができなくなって
エネルギーが作れなくなってしまいます。

脳のエネルギーはブドウ糖しか使えませんので、
それがなくなってしまうと、
細胞が壊死、脳にダメージがおき、
脳浮腫をきたしてきます。

脳は生命の中枢ですので
そこがダメージを受けるという事は
生命の危機状態に陥ります。

普段職場で扱う血糖値のコントロールをする薬剤はとても怖いものです。
患者さんが内服している薬や
インスリンの種類の効いてくる時間を知って、
食事を提供することや異常の早期発見が大切です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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