【在宅看護】パーキンソン病の原因、観察項目とは?

訪問看護師として働いていると
パーキンソン病の患者さんと関わることが多いです。

パーキンソン病はゆっくりと進行していく病気です。
最終的には寝たきり・・となる方もいらっしゃいます。
そんなパーキンソン病の原因から観察項目をまとめてみました。

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パーキンソン病の原因は?

★脳内のドパミン神経の減少

ドパミンの役割
自分の意思で身体が動くように運動の調節を指令している。
ドパミンは“黒質”のドパミン神経でつくられる。

・・・つまり、ドパミンが十分に作られなくなるので
運動の調節が上手く伝わらなくなり、身体の動きが上手くいかなくなる!

+中枢神経や自律神経にも支障がでる
(精神症状や自律神経に関係する症状)

パーキンソン病の観察項目とは?

◎身体症状
・振戦の有無、部位
・固縮の有無
・無動の有無
・姿勢反射障害の有無

◎随伴症状
・運動障害の有無
・歩行障害の有無
・言語障害の有無
・嚥下状態

・排尿障害の有無(尿失禁・頻尿)
・排便状況→便秘になる人が多い
・起立性低血圧(めまい、ふらつき、意識障害)

・発汗の有無
・睡眠状況
・精神症状(抑うつ、幻覚、認知機能)

◎合併症
・褥瘡
・感染症(気道、尿路など)

◎薬物療法の副作用
・悪性症候群
(高熱、意識障害、錐体外路症状、自律神経症状、横紋筋融解など)
・すくみ足現象
・幻覚、妄想
・ウェアリングOFF現象※1

・ON-OFF現象※2
・ジスキネジア
・口喝の有無
・排泄状況

◎日常生活の状況
◎家族の介護力や精神状況

※1 ウェアリングOFF現象
同じ量のレボドパを内服しても薬効時間が短くなること
※2 ON-OFF現象
同じ量のレボドパを内服しても突然効果がなくなること

看護問題で上がってくるのは
『転倒・転落』『拘縮』『嚥下障害』
『褥瘡』『日常生活の不安』など・・・

ホーエン・ヤール重症度分類を知る

1度 症状が片側の手足のみ
→日常生活への支障は本当に少しです。
今までと同じように日常生活を送れます。

2度 症状が両側の手足
→不便なことがでてきます。
今までと同じように日常生活を送れます。

3度 歩行障害・姿勢反射障害が出現する
→活動は制限がでてくるけども
日常生活は自立して送ることができます。

4度 両側の手足に強い症状がでる
→日常生活に介助が必要な事が多くなります。

5度 立ち上がり困難、寝たきり、車いす生活
→全面的な介助が必要になります。

4度になってくると誰かの介助が必要になってきます。
早く治療を始めると、進行がよりゆるやかになり
身体の良い状態が保たれると言われています。

私が関わらせていただいたパーキンソン病の患者さん(ホーンヤール4度)は
訪問時は笑顔をみせて明るく挨拶をしてくれます。

ですが、診断を受けるまでは原因がわからず悩み、
診断を受けてからは“不治の病”ということに悩み、
現在は在宅で生活しながらも
動きにくくなってきた自分自身の身体に悩んで時折涙を流されます。

まだ比較的自由に動けるときは
自殺を試みたこともあったそうです。
ご家族は
「今は自由に動けないからそんな変な事できないから安心」
と話されました。

病気を治すことはできないけれど、
看護師として在宅医や介護士さんと連携をとりながら
本人やご家族の心に寄り添い、
少しでも安心して生活できるようにサポートしていくことが
大切だと感じます。

お役に立てると幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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