本当に不安やストレスはない?訴えの少ない患者さん
患者さんで、自分の訴えをたくさん言える人は
看護師はよく話しかけたり、
気にかけたりすることができますが、
逆にほとんど何も訴えがない患者さんもいます。
訴えがほとんどない患者さんというのは
看護師にとって手にかからない患者さんかもしれません。
しかし、あきらかにストレスの症状が身体にでているのに
何も心の中の不安を表出せず、
ぐっと耐えられる患者さんがいます。
「何か不安なことはない?」
と聞いても
「大丈夫」と一言答えるだけで終わってしまいます。
ストレスがたまると
身体にも影響しますし、
看護師としては、少しでも吐き出してもらって
気持ちを楽にしてあげたいものです。
そんな時にどう関わっていけば患者さんが話しやすいか、
書いていきます。
まずは環境を整えよ
①自分の準備
せかせかと忙しそうにしていると
患者さんも落ち着いて話すことができません。
10分この人と話す!と決めたら
その10分をとるためにスケジュール調整をしましょう。
②朝一からのスタートダッシュが大事
朝、患者さんに
「おはようございます、よろしくお願いします」
と言った時から、話しやすい関係づくりは
始まっています。
笑顔で、明るく、
早口ではなくややゆったりと話してみましょう。
③話を聞くときはL字型に
患者さんの話を真剣に聞く時間を作ったら、
まず、腰を落として患者さんと目の高さを合わせます。
この時L字になるところで腰を落としましょう。
そして、落ち着いたゆったりとした声で
「入院どうですか?しんどいことないですか?」
など声かけをします。
訴えを表出しない患者さんはほとんどここで、
「大丈夫ですよ。しんどくないですよ。」
とおっしゃいます。
そこで、「それはよかった。」と
まずは患者さんの答えを受け止めます。
そこからがスタートです。
患者さんのありのままを受け止めよ
今まで入院のしたことのある患者さんだったら、
前回の入院はどうだったかを聞いたりして、
その時の嫌だったこととか、
感じたことなどを聞いていきます。
ここでポイントなのが
いつのことでも“嫌だった”と思うことは、
その人の価値観に関わってくるので、
ストレスや不安を感じることに気づくきっかけになりやすいです。
その“嫌だった”と思った状況で、
今の入院でも当てはまることがあったら、
ここの病院でも同じようなことはあるから
同じように感じていませんか。と投げかけてみます。
5W1H(どこで・何を・いつ・誰が・なぜ・どのように)
で聞いていくと聞きやすいです。
倒置法も有効です。
「その時どう感じましたか?」
→「どう感じましたか?その時。」などです。
その時、患者さんが言った言葉をそのまま返していきます。
患者さんのありのままを受け入れるように
否定せずただ話を相槌やオウム返しをしながら
患者さんの気持ちに寄り添うように聴いていきます。
すると、ぽそっと不安に関するワードが
患者さんの口から出てきたりしますので、
それを聞き逃さずキャッチして
その内容について話をもっていきます。
そういう話をしていると、
その患者さんには今何が必要か気づくことができたりします。
例えば、医師からの病状説明であったり、
検査の説明であったり、
患者さんに必要なことが見えてきたりします。
看護師も忙しく、
1人の患者さんにかける時間は
あまりとることが難しい場合もありますが、
時間は作ろうと思えば作れたりすることもあります。
バイタルを測ったあとなどに10分だけその人に
時間をあげる勇気が、
訴えることがほとんどない患者さんを
救う時間になるかもしれません。
最後まで読んでいただきありがとうございました。