看護実習に役立つ観察項目&注意点【脳疾患編】

実習で役立つ疾患の部位別ざっくり観察項目【脳疾患編】


・バイタルサイン(脈拍、血圧、呼吸、体温)
・意識レベル(JCS)
・瞳孔
→大きさ ★正常:2.5~4.0mm
→対光反射★正常:早い
→左右差★正常:なし
→瞳孔変形の有無
★正常:きれいな円(先天的・後天的な異常もあり。眼の手術をしていたりなど。
脳神経の異常であれば中脳の障害が考えられます。)

・呂律困難
・構音障害
・嚥下障害
・頭痛
・嘔気、嘔吐

・呼吸状態
・MMT(徒手筋力テスト)※

・腹部膨満感
・腸蠕動音
・尿色
・便の性状、量
・排便回数

・IN/OUTバランス
・電解質(検査データ)

よく脳梗塞などで救急車で運ばれてくる患者さんは
四肢の脱力感やしびれなどを訴えられています。
あと強い頭痛なども多いです。
そして血圧がとても高いです。180~220なんて人もよくいてます。

※MMT(徒手筋力テスト)とは・・
0~5の6段階で表す筋力の評価方法です。
0が全く動かない状態であれば、5が力を加えても動かせる
いわゆる普通の筋力が弱っていない状態です。

簡単に言うと、1は筋肉は動くけど横にも縦にも動かない状態
2は横の動きができる、3は縦の動きができる、
4は重力には勝って挙げられるけど、力を加えると負けてしまう状態です。
例えば膝立てができるとMMT3となります。

スポンサード リンク

もちろん患者さんに合わせた観察項目は
これだけではありませんが、
ここから考えられることを付け加えると良いです。
実習だと、瞳孔はどこの神経?とか聞かれそうですね。
ちなみに動眼神経です。

頭部疾患の場合血圧コントロールが大切です。
血圧が上がると脳の出血のリスクがあります。
かといって脳梗塞なんかの患者さんだと血圧が低すぎるのも良くありません。
便秘になると、排便する時に努責をかけてしまって
血圧も急激に上がりますし、
腹腔内圧が上がると脳圧にも影響します。

患者さんがどんな点滴をしているのかや、どんな薬を飲んでいるか、
そこから患者さんの今何が必要で治療しているのかがわかります。
もし、医療機器がついているのであれば
なぜ、この機械が必要なんだろうという視点が大事です。
なぜなら、不必要なものは飲まないし、つけないからです。

全身状態を見るためには、
一般的なバイタルサインと合わせて、
今までのだいたいの数値と変化がないかを確認します。
バイタルサインに変わりがないなら
報告時に変化はありませんと伝えます。

検査データも侮れないもので、
患者さんの検査データは見るようにしたほうが良いです。
高齢になってくると、
その主な疾患だけではなく、
色々と既往歴を持っているので合わせて見ていきます。

頭部疾患の患者さんの命に直結するポイント

・意識レベルの変化がないか
・瞳孔は変わりがないか
・麻痺の進行はないか
・頭痛、嘔気、嘔吐はないか

日常生活援助で気をつけるポイント

・麻痺があれば転倒・転落のリスクがある
・嚥下障害があれば、誤嚥の可能性がある
・失語症があればコミュニケーション方法
・精神面へのサポート

麻痺があるなら当然転倒や転落のリスクはあがります。
転倒・転落しないように環境整備したり、
車椅子などの移乗動作を確認したり、転倒転落予防をします。
もし眠剤などを飲まれていたりすると
転倒のリスクもより上がるので注意です。

細かく見るなら、
端坐位になったとき自己保持できるか、傾きはないか、
立位時のふらつきはないか、
足ふみは可能かなども見ていきます。

嚥下障害があるなら、
食事の前の嚥下訓練や、アイスマッサージなどを
行って食事をする準備をしっかり行います。
頸部が後屈しないポジショニングもとても大事です。
気道確保の時、顎を挙上させることからわかるように、顎が上がった状態は気管に入りやすいです。
また、食事形態がその人に合っているものなのかも確認します。
もしスプーンやフォークがつかみにくいのなら
柄を太くしたりする工夫も必要になってきます。
誤嚥すると肺炎を起こす可能性がありますので、
食事時のムセがないかよく確認します。

失語症があるのなら、
コミュニケーション方法の確立が大切です。
同時に精神面へのサポートも必要です。

なぜなら、片麻痺になったり失語症になったり
というのは突然起こったもので、
今まで普通に何十年もできていたことができなくなったという事実を
すんなり受け入れることができる人ってほとんどいないと思います。

脊椎損傷の人が疾患を受け入れるためには、
一度今までの自分のイメージを全て壊さないといけない
と言われています。
片麻痺の人は脊椎損傷とは違いますが、
今までの身体の機能が突然失うことは同じだと言えます。

片麻痺の人の精神面のサポートって
「リハビリ、リハビリ」とリハビリに追われて忘れがちですが
大事にしたいところであります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

スポンサード リンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする