便秘の種類別看護、原因~直腸性便秘・痙攣性便秘~

便秘の種類によって原因もアプローチ方法も違う?

前回は弛緩性便秘について書きましたので
今回はその続きとして直腸性便秘と痙攣性便秘の
原因と看護について書いていきます。

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◎直腸性便秘とは・・・

原因
直腸に便が停滞することで起こります。

→肛門付近の問題
便が直腸に来ると排便反射が通常は起こります。
ですが、直腸性便秘のタイプの人は
便意を感じにくくて
なかなか排便に至りません。

結果、直腸に長く便が停滞することになるので、
便の水分はどんどん失われて
便がカチカチの硬い便になってしまいます。
そうなると余計に排便が難しくなってきます。

そういう状態になる原因が
・便意を我慢してしまうクセがある
・排便時に痛みがある
・排便時に肛門を締めてしまうクセがある
・高齢になって神経の働きが鈍くなった

などが挙げられます。

直腸性便秘の看護

・浣腸、摘便
・下剤の使い分けDr.にコンサル
(直腸刺激系薬剤→酸化マグネシウム系の便を柔らかくするお薬)

・排便しやすい環境をつくる
・肛門付近の痛みの緩和
→便の硬さのコントロールが大切です

直腸性便秘は直腸の出口付近で
硬くなった便が出口を塞いでいる状態のことが多いので
それをまずは取り除く必要があります。

出口が詰まっているのに
さらに食物繊維をとって
便のかさを増やすのは
さらなる大渋滞を引き起こす可能性があります。

◎痙攣性便秘とは・・・

原因
大腸の過緊張によって起こる

交感神経が過度に興奮している状態です。
交感神経が働き過ぎている状態は
副交感神経で蠕動運動が活発になる消化管にとって
蠕動運動で上手く便を運べません。

ウサギのフンのような
コロコロとした便になる人が多いです。

このような状態になる原因は
・精神的なストレス
・自律神経が乱れている

などが挙げられます。

つまり、交感神経と副交感神経のバランスが
上手く取れなくなって
便秘になってしまいます。

痙攣性便秘の看護

・リラクゼーションを取り入れる
→足浴や手浴、マッサージ、アロマなど
その患者さんがリラックスできることを取り入れます

・生活リズムを整える

・呼吸法を指導する
→ストレスが多い状況だと
自然と浅い呼吸になりがちです。
深い呼吸を意識することによって
副交感神経を働かせることができます。

初めは腹式呼吸を10回×3セット程度を目標に
してもらうと良いでしょう。

腹式呼吸をすると、横隔膜が上下します。
横隔膜には自律神経が集中しているため
息を吐くことをゆっくりしてもらうことで、
副交感神経を刺激することができます。

便の性状でわかる消化管の通過時間

ブリストル排便スケールというものがあります。
1~7の数字で表していくものです。
1のコロコロ便の消化管通過時間が約100時間、
それに対し7の水様便の消化管通過時間が約10時間となっています。

1 コロコロ便(硬いウサギのフン様)
2 硬い便(短く固まった硬い便)
3 やや硬い便(水分が少なく、ひび割れた様な普通ぐらいの大きさの便)
4 普通便(適度な水分量、柔らかさの便)
5 やや柔らかい便(水分が多く柔らかい、半分固形状の便)
6 泥状便(形がない、水でもないドロッとした便)
7 水様便(水のような、固形物を含まない便)

今回は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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