静脈採血はイメージトレーニングが最初の一歩!?
新人看護師がまず緊張する場面・・
静脈採血です。
今回は採血の手順のおさらいとちょっとしたコツについて
お伝えしていきたいと思います。
まずは血管選びで避けるべき部位
◎皮膚に異常があるところ
→皮膚に異常がある場合、
刺入部からの感染を起こす可能性があります。
◎輸液・輸血をしているところ
→輸液などをしている同じ血管で採血すると
正しい検査データがとれない可能性があります。
◎乳房切除側(リンパ郭清後)
→リンパ節郭清後の腕はリンパ浮腫や感染をおこしやすいです。
駆血帯や穿刺は不可になっています。
患者さんの既往歴にないか必ず確認しましょう。
◎透析用のシャントがある側
→シャントの寿命が短くなってしまうので
駆血できません。
◎麻痺側
神経症状がわかりません。
知っておくべき採血の合併症
◎神経損傷
患者さんに痛みやしびれはないか必ず確認しましょう。
→ビリビリした電気のような痛みやしびれがあった場合は
すぐに抜針しましょう。医師に報告して針を変えて再トライです。
◎血管迷走神経反射
採血で倒れたって何度か聞いたことがあります。
ベッドで横になって採血をすると安心です。
◎血栓性静脈炎
◎感染
◎皮下血腫
◎出血
イメージトレーニングは成功のモト!静脈採血の手順
①必要物品の準備
②患者さんの体位を整える
③まっすぐで弾力のある血管をさがす
④駆血帯を穿刺部の7~10cm中枢側に巻く
⑤患者さんに親指を中にして握ってもらう
⑥穿刺部をアルコール消毒
⑦利き手で針の切り口が上になるようにもつ
⑧穿刺するところの3~5cm末梢側の皮膚をひっぱる
(利き手とは反対の手で)
⑨5~20度ぐらいの角度で穿刺
⑩シリンジ内に血液が返ってきたらさらに1~2mm針を進める
⑪必要分血をとる
⑫患者さんに握った手を開いてもらって、駆血帯をはずす
⑬針をすっと抜いたところをアルコール綿で抑える
(抑えが足りないと内出血をおこします)
★駆血帯
★採血スピッツ
★アルコール綿
★針(21~23G)
★シリンジ
★針捨てボックス
★使い捨て手袋
あると便利なもの
★肘枕
★汚染防止用のオムツなどのシーツ
これだけあれば採血はできます。
患者さんの安楽も大切ですが
患者さんの安楽を考えるあまり
穿刺しにくい体位だと採血を失敗する可能性があります。
穿刺は痛いので
できれば一回でできるように
体位を整えます。
静脈採血でよく使われる血管は
橈側皮静脈・尺側皮静脈・肘正中皮静脈です。
もしそこ以外から採血する場合は
失敗する可能性もあるので
できれば末梢側から攻めていきます。
指の第2~4指の腹を使って血管がどんな風に
走っているかを見ていきます。
オススメは逆Y字になっている部分です。
つまり2本の血管が合流する部分です。
比較的穿刺しやすい部分だと思います。
血管がでにくいときは・・
◎温める
◎心臓よりも腕を低くする
◎むくみがひどい時は挙上してむくみをひかせる
◎もしかして駆血帯を強く巻きすぎかも・・
◎はたく(これは医学的根拠ナシ)
※患者さんにグーパーしてもらうことも
血管を怒張させるのに有効な手ですが、
グーパーしてもらうと、
筋肉や細胞からカリウムがでて、
採血データに影響することがあります。
他にも駆血帯を長い時間締めすぎたり
強く締めすぎたり
強くたたいたり、強くしごいたりすると
偽性カリウム高値と呼ばれる
正しい検査結果を得られない可能性があります。
動脈まで圧迫してしまうほどの強さだと
静脈が膨らまなくなります。
駆血帯はゴムのものが多く、皮膚が引っ張られると痛いので
寝衣の上からするなど配慮すると優しいです。
親指を中にして握ってもらう事で
筋肉を収縮さして末梢の静脈灌流を促します。
穿刺部位から外側に向かって円を書くように
消毒します。
アルコール消毒したあと、乾くのを待ちましょう。
乾かないとアルコール消毒をした意味がありません。
穿刺がスムーズですし、患者さんの痛みが最小限で済みます。
(利き手とは反対の手で)
血管を固定する意味と、
針が刺しやすくなる意味があります。
角度が大きすぎると
静脈の血管を突き破ってしまう可能性があります。
採血中抜けないようにします。
スピッツによって何ml必要か書いてあると思います。
不必要な血を取らないように
あらかじめ何ml必要か確認しておきます。
終わったら忘れずに患者さんに声かけします。
抑えが足りないと内出血をおこします。
以上です。
ここに書いてはいませんが患者さんへの声掛けをお忘れなく!
もし患者さんの血管がまったく見えない!
2回刺したけど取れなかった!!
という場合はDrも含めた違うスタッフに変わってもらいましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。