廃用症候群って何?なぜ?看護のポイントとは?消化器編

廃用症候群ってなぜ起こる?

廃用症候群の言葉の意味は・・・
廃用(はいよう)=使わない事
廃用症候群=身体が不活動、二次的な障害

廃用症候群には何がある?

★皮膚・・・褥瘡
★心血管系・・・心肺機能↓、静脈血栓症、起立性低血圧
★呼吸器系・・・肺換気能障害、誤嚥性肺炎

★尿路系・・・尿路感染、尿路結石
★消化器系・・・便秘、体重減少、食欲低下
★筋骨格系・・・筋力低下、関節拘縮、筋委縮、骨粗鬆症

★内分泌系・・・尿量増加、電解質異常、窒素排泄亢進
★精神・神経系・・・感覚↓、知覚障害、不安と抑うつ、協調運動障害※

※協調運動障害とは・・
身体の別々の部分をそれぞれ違う動きを一緒に行う運動が
難しくなります。例えば、手と足や手と目など・・・
滑らかな動きができにくくなります。
歩行中につまずいたり、食事を上手く口に運べなかったりします。

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廃用症候群はなぜ起こるのでしょうか?~消化器~

消化器系の機能は
◎摂取 ◎消化 ◎排泄機能
の3つです。

身体を動かさずにいると
この消化器系の3つの機能のうち
1つ以上に影響を及ぼす
と言われています。

①腸の蠕動運動が低下
→栄養吸収能が低下
→体重の減少

②括約筋収縮が増大する
→便秘

③食物の通過時間が延長
→逆流性食道炎
仰臥位では通過時間が60%長いと言われています

絶食状態の腸はどうなっている?

◎腸管の免疫能(局所)の低下
◎唾液分泌の低下
→口腔内の乾燥
(食塊形成が難しくなります)

◎胆汁のうっ滞
◎肝機能の低下

◎消化管運動機能の低下
◎消化機能・吸収機能の低下
◎腸管粘膜の萎縮

◎ストレスが増える
→食欲が低下する

消化管は48時間絶食が続くと腸粘膜の萎縮が始まるといわれています。

 

 

便秘が起こる原因

◎腹筋や背筋の筋力低下
◎排便時に重力を使えない

 

排便の体位は坐位の前傾姿勢が一番スムーズ!!
坐位は直腸と肛門の角度が約120度になります。
腹筋をそれほど使わなくても
重力で排便できます。

臥床状態だと・・・
腹筋を使って便を押し出さないといけません。
腹筋の筋力が低下している状態や
腸の動きが悪くなっている状態、
括約筋収縮が増大している状態では排便障害になりやすいです。

食欲も低下します。
身体が動かない状態だと
不安や抑うつが増強します。

その刺激が大脳皮質→視床下部→摂食中枢に影響して
カロリーが欲しい!という要求が低下、
食物通過時間が延長して
食欲が低下します。
それとストレスによって潰瘍ができたりします。

看護のケアのポイントは??

★消化器
・口腔内の乾燥の有無
→乾燥していたら口腔内を湿らしたり、口腔ケア

・食事摂取量の観察
→食の好みの情報収集や食事形態が合っているか

・便の性状の観察
→必要時飲水の促しや薬剤の調整、腹部マッサージや温罨法など

・排泄動作
→もし座って排泄が可能であれば座ってできるように整える、
できなければ頭部をギャッチアップして
少しでも腹圧がかけやすくなる体位に整える

・ストレス対処法の情報収集
・体位変換

今回は以上です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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