ストレス減?看護師の患者に選択肢を与える効果とは?

患者にとって入院は不快の連続?


病気になって入院すると、
今まで普通に自分の意思で生活していた毎日が一変します。
入院すると、
起床時間から就寝時間、食事の時間、食事内容など、
生活のほぼすべてが制限されてしまいます。

患者さんの希望を叶えてあげたい気持ちはあるけれども、
指示内容的にその希望を叶えることはできない時が
あることって多いです。
特に急性期では、制限内容が厳しく、
患者さんには「まるで監獄に来たようだ」と感じる人もいらっしゃいます。

その限られた中で患者さん自身が何かを選択できたら、
患者さんの自尊心も保つことができます。
例えば、お茶は冷たいのがいいか、温かいのがいいかなど
本当に些細な選択肢を与えてあげることでも
患者さんの不快感を和らげることができます。

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人は自分が選択したものが良いという心理


例えば、安静度がベッド上安静で、
排便がトイレでできないという状況があるとします。

排泄をベッド上で行うことは、
意識がはっきりしている患者さんにとっては苦痛です。
よく慢性期病棟などで、
患者さんが便意を催した時、
看護師が「おむつの中でしていいよ」という声かけを耳にしたりします。

選択肢がないという状況は
「これ」という選択肢しかなく、
受け手は“命令された” “むりやり意見を押し付けられた”
というような不快感が生まれます。

そこで、上の例であげるなら、
「トイレに行くことはできないですが、
おむつ内でしていただくか、差し込み便器を挿入する形があります。
どちらかお好きな方を選んでください。
どちらにしても、すぐにきれいにさせていただくので
大丈夫ですよ。」

という風に選択肢を与えてあげると、
患者さんはどちらかを選択します。
自分が選択したのだからと、
納得していただくことができます。

人間は自分で選んだことが正しいという
幻想が心の中にあるといわれています。
一種の自己暗示的なものですが、
選んでもらうということが納得してもらえることに思います。

ここで、ちょっとしたテクニックをお伝えします。
実はこの2択を出す時、
選ぶ側は後者の方を選びやすいというデータがあります。

看護師の仕事が忙しくて、
こっちの方を選んでくれないかなという時に使えます。
絶対とは言い切れませんが、確率は上がります。
仮にそっちを選ぶか・・となった時は
しかたがないなと受け入れましょう。

もう一つ、患者さんが満足を感じるポイントとしては
話をしっかり聞いてくれるというところです。

忙しい看護師がゆっくり話を聞くということは
難しく感じるかも知れませんが、
時間を作って話を聞いてあげることが
患者さんの満足度にもつながり、
信頼関係の構築につながります。

ある実験で、ほとんど同じ技術・知識をもった医師でも
話をふんぞり返って患者の話を聞かない医師と、
しっかり患者の話を、顔を見て、前かがみになって聞いた医師とでは
後者の方が人気のある評判の良い医師となったそうです。

やはり、人間は評価が簡単に感情に左右されるなと
感じられる実験でした。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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