頻回のナースコール。患者さんの痛みは本当?
入院している患者さんで、
「痛みが強い」と頻回にナースコールがある場合があります。
そんな時、あまりにもナースコールが頻回だと
その患者さんの訴えは本当かな?って疑ってしまうことありませんか?
「男だから痛みに弱い」
「精神疾患があるから痛みのナースコールが多い」など
看護師同士で話すことがあるのは確かです。
今回はその痛みって本当か?とわいた疑問に対して
痛みのメカニズムと看護を合わせてお伝えしたいと思います。
痛みは命を守るために身体の異常を知らせる機能です。
身体の不調を知らせてくれるのが“痛み”です。
痛みの程度は個人的で、主観的なもの・・と言われています。
たしかに、痛みに強い人、弱い人がいるなと
看護師をしていると思う事があります。
“痛みに強い”と“痛みに鈍感”では意味が違ってきて
“痛みに強い”=“我慢強い” ≠ “痛くない”
痛いことには変わりはないので
訴えないからいいやではなくて
すっごい痛いのに我慢してしまう人もいているので
バイタルサインなども合わせて、
痛みのコントロールしていくことが必要だと思います。
痛みには2種類ある!!そのメカニズムとは?
★急性疼痛
★慢性疼痛
例えば何か手を切ったなど、身体の一部を負傷した場合、
痛みを感じさせる物質が負傷したところから放出されます。
そうして
痛み物質放出 → 自律神経終末から痛みの信号が出る → 脊髄
→ 視床(感覚経路の中継点) → 体性感覚野
という流れで痛みを感じることができます。
治癒すれば痛みは消えます。
慢性疼痛は創傷の治癒に必要な時間を超えても治らず
持続する痛みです。
急性疼痛とは違って、
これは脳が記憶したものだともいわれています。
最初にお伝えしたように、痛みは命の危機や異常を知らせるものですので
次から痛いのは避けたいと
海馬や側頭葉、脊髄後角で痛みを記憶してしまいます。
特に、痛みを記憶しやすいのは
最初に強い痛みを感じたりしていた、
繰り返し痛みを感じていた
という状況といわれています。
結果、脊髄が痛みを覚えているので、
海馬で痛みの記憶が思い出しやすくなって
小さい痛みでも大きく感じてしまったり、
何もしていないのに痛く感じてしまったりします。
だから、痛みを訴えている患者さんは
本当に痛いんです。
じゃあ、看護師はどうすればいいのか?
痛みを忘れる時間を作ることが大切!!
看護師ができる痛みのコントロールとは?
薬を飲むことを嫌がる患者さんは多いと思います。
それは、薬に対する誤った認識のためだったりします。
(例えば中毒になってしまうのではないか、我慢できる痛みなら我慢した方がいいなど・・)
適量の使用であれば問題がないことや、
痛みを我慢すると呼吸抑制や体動の抑制がでて
二次的合併症を起こす可能性があることなどを
説明して疼痛コントロールしていくことが大切です。
よく患者さんで、昼間は好きなゲームをしていて
痛みの訴えがないのに、
夜になると思い出したように痛みの訴えがでてくる・・
なんてことがあります。
痛みに意識が集中していると
痛みを感じやすくなるので、
患者さんが痛みを忘れて何か集中できるものを
情報収集して
痛みを忘れる時間を作るアプローチをかけていくのもひとつです。
入院中は何かと不安が出てきたりします。
心と身体はつながっていると言われるように
精神面の落ち込みは身体面にも影響がでてきます。
患者さんの話を傾聴したり、
「私はあなたを気にかけていますよ」という姿勢が
信頼感と安心感につながります。
以上、患者さんの疼痛は本当?でした。
結局、痛みとは主観的なものだから
疑ってもしかたがないなぁと感じました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。