看護師の誤薬を防ぐ対策とは?
たくさんの患者さんの服薬管理って
とてもたいへんだと思います。
似たような名前の薬剤も多いですし、量も多かったりします。
看護師も人間ですから、どんなに気をつけていても
ヒューマンエラーを起こす可能性は絶対にあります。
しかし、誤薬は時に患者さんの生命に関わるので
なんとしても起こさないようにしないといけません。
そこで、基本に戻り誤薬をふせぐための対策を考えていきます。
忙しい時こそ確認を!!薬の6Rのダブルチェック!!
1.正しい患者(Right Patient):フルネーム、リストバンド、ベッド名で確認
2.正しい薬剤(Right Drug):薬剤名、%で違うものもあります。
3.正しい量(Right Dose):指示のmg、アンプル量、単位など
4.正しい経路(Right Route):経口、末梢ルート、中心静脈からか
5.正しい時間(Right Time):指示の時間、食前、食間、食後、眠前など
6.正しい目的(Right Purpose):何のために薬を使うのか
忙しい時、看護師をもう1人呼んで
Wチェックをするというのは
時間が惜しくなってしまうかもしれませんが、
指示書を確認し、確実に確認をしましょう。
薬を患者さんに投与する前にも確認を!確認は指さし呼称で!!
指さし呼称はしなかった場合の誤りの確率2.38%に比べ
指さし呼称をした場合の誤りの確率は0.38%というデータもあります。
なんと、約6倍以上ミスが減っています。
指をさし、振り下ろすという動作が
確認する時に集中して確認できます。
Wチェックをする時も指示と薬剤をみながら
①声に出して ②指さし呼称 ③「よしっ!」
と動作と声に出して確認することが
誤薬の防止になります。
6Rを声に出しながら、右腕をまっすぐ伸ばして
ひとつずつ丁寧に指示書・薬剤から目を離さず右手を振り下ろし
人差し指でさして、「よしっ!」と声にだします。
例:指をまっすぐ振り下ろしながら
「山田花子さん」 「よしっ!」
「〇月〇日」 「よしっ!」
「△△(薬剤名)〇〇mg 〇時分」 「よしっ!」
「点滴末梢から」 「よしっ!」
「時間〇〇で(速度)」 「よしっ!」
そしてもう一度薬剤名を読み上げて
「△△(薬剤名)〇〇mg(規格)」 「よしっ!」
と丁寧に行うことが誤薬予防に効果的です。
「よしっ!」なんてちょっと恥ずかしい気もしますが
患者さんと自分自身を守るために確実に行っていきます。
Wチェックを終えた薬剤を
患者さんのに投与する前にも、
もう一度名前やリストバンド、薬剤名、量、時間、
投与経路、目的を確認しましょう。
注意すべきが、同姓の患者さんです。
自分で名前を言ってもらうのが一番ですが、
それができない場合、
しっかりとリストバンドでIDの確認を行いましょう。
危険なのが「〇〇さん」とこちらから呼んで確認する方法です。
名前が違っても、「はい」と反射的に答えてしまう場合が多いです。
たまに、奇跡的に同姓で名前まで
1文字違いなんていう患者さんも現れたりします。
そんな時はいつもよりさらに神経質に確認を行います。
薬剤カートにも同姓がすぐにわかるように
赤文字で記載する、朝の申し送りで同性がいることを
みんなに注意喚起するなど、
誰が見ても同姓がいるということがわかるように
工夫が必要です。
薬の内容も知っておく
例えば、血圧の管理のために降圧剤を飲まれている患者さんも
多くいらっしゃいます。
その日のバイタルサインの血圧が低い場合、
内服を考える必要があります。
朝のバイタルサインがいつもより低い場合、
内服前に血圧を測るなど、
その薬は何のために内服しているか考えます。
よくあるのが、便を柔らかくするお薬が毎日でていて、
その患者さんの排便状況が、水様便などダラダラ続いている場合は
医師に内服をスキップしていいかの確認なども必要です。
これだけ確認を行っていてどれだけ気をつけていても、
エラーを起こしてしまうのが人間の怖いところです。
誤薬をしてしまった!とわかったら行う事は↓↓
1.すぐに報告(薬剤の種類、量、時間)
2.患者さんの状態(バイタルサイン、特に意識レベル、呼吸状態)
3.症状の有無
4.水を飲ませて吐き出せるなら吐き出してもらう
5.既往歴と内服している薬の確認
これらをほぼ同時進行で行います。
右側臥位は薬剤の吸収を速めてしまう可能性があるので、
右側臥位にはしません。
患者さんの状態が最優先です。
薬は本当に怖いので、
しっかりと確実に投薬できるように
注意していきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。