【看護師のアセスメント】緊急度が高い心外閉塞性ショックとは?

心外閉塞・拘束性ショックについて知る


心外閉塞・拘束性ショックは肺塞栓や心タンポナーデ、
緊張性気胸などで起こります。

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心外性・拘束性ショックのメカニズム

心臓は元気です。循環血液量もたっぷりあります。
血液は全身→右心室→肺動脈→肺→肺静脈→左心房→左心室→全身
という流れになっています。

ですが、何らかの原因でその流れができなくなって
血が心臓に返ってこれなくなって
心拍出量が減ってショックに至ります。

このショックは緊急性が高く、
失った機能を代償する機能が働きにくいショックです。
左心室血液灌流障害が起きています。

下がるもの
★血圧低下↓
★心拍出量低下↓

上がるもの
★末梢血管抵抗↑

そのままのもの
★循環血液量→

◎緊張性気胸


緊張性気胸が起こる原因は
自然気胸が起こった時や、交通事故、陽圧人工呼吸管理下などで起こります。

よく一般に聞く自然気胸は、
肺に穴が開いて空気が胸腔内に入り込んで、
肺がしぼんでしまうものですが、
緊張性気胸がなぜ普通の気胸と違うのかというと、
気胸ですので、肺に穴が開くことは変わりません。

もちろん自然気胸も緊張性気胸になる可能性はあります。
大きな違いは肺に穴が開いたところが、
一方弁になってしまうということです。

肺にあいた穴にフタがあるイメージです。
空気を吸って肺に空気が入ってきた時に
弁が開いて、胸腔内に空気が流れ込みます。

逆に空気を吐くときに、
その弁が閉まって、胸腔内圧が上がります。
なので、呼吸するたびに
どんどんどんどん空気は胸腔内に溜まっていって、
胸腔内も容量がありますので、パンパンに過膨張します。

そうなると胸腔内圧が以上に上がった状態と、膨れ上がった胸腔に
心臓や血管、気管などがぎゅーっと押されて
心臓が上手く血液を送ることができなくなるし、
血液も返ってこれなくなります。

そのため突然血圧が低下して、頻脈になり、頸静脈も怒張し、
ショックが進行します。

★治療★
・ただちに胸腔ドレナージを行う!
・緊急処置は第2肋間鎖骨中線上を穿刺して胸腔ドレナージ

◎肺塞栓症


よく震災の時にエコノミー症候群と聞きました。
深部静脈血栓症のことで、
肺塞栓症とは、下肢にできた血の塊が、
血流にのって肺動脈を詰まらしてしまう事で起こるものです。

血液は全身→右心室→肺動脈→肺→肺静脈→左心房→左心室→全身
という流れになっています。

肺へ行く血流が遮断されるので、
全身から返ってきた血液を酸素化できない、
肺から先に血液を送ることができないので
左心室に血液を送ることができなくて
結果、全身に送る血液量がなくなります。

★症状★
・血圧低下
・呼吸困難
・胸痛や冷汗
・動悸
・意識レベル低下

手術後などの、臥床時間が長かった患者さんの
離床が始まって、初回歩行時に呼吸困難がでたら
肺塞栓症を疑いましょう。
酸素投与を開始します。

★治療★
・酸素投与
・抗凝固療法
・(場合によっては)血栓溶解療法や血栓除去術など

★深部静脈血栓症の早期発見をするには★

片足だけに見られる
・下肢の腫脹
・痛み
・下肢の色の変化

膝を伸ばした状態で
足関節をからぐっと90度に背屈すると
ふくらはぎに痛みがでるのもホーマンズ徴候と言われていて
異常の早期発見に役立ちます。

足を押したり触って痛かったら、
血栓ができているかも知れません。

★看護師のできること★
・酸素投与
・気管挿管の準備
・ルート確保
・心電図モニター装着
・意識レベル確認

◎心タンポナーデ


心タンポナーデは心嚢液が貯留し、
心臓が上手く拡張できなくなって
血液を送ることができなくなります。

心嚢液は心臓の周りの包んでいる心膜腔というところに
普段から15~50mlぐらいあります。
これは、心臓が上手く拡張したり、収縮したりするための
潤滑油となっている役割があります。

その心嚢液が何らかの原因で増加すると、
心臓実質が圧迫されて身動きがとれなくなります。
心臓は拡張した分収縮するので
血液が全身に送れない、返ってこれないので
血圧は下がり、静脈圧は上がり、ショック状態となります。

★治療★
心嚢穿刺で排液をする

★看護師のできること★
・異常の早期発見
→いつ急変してもおかしくない状態ですので
急変対応をシュミレーションしておくことが大切です。
・輸液管理

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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