患者さんがショック状態に!看護師が知っておくべきショックの徴候

患者さん血圧が下がってショック状態に!

そんな時、患者さんはなぜショックになっているのか分かれば、
予測した対応ができますし、
ショックを起こす可能性があるとわかっていたら、
ショックが起きる前に異常の早期発見ができます。
よろしければ循環のメカニズムもご覧ください。

今回はショックがどんな流れになっていくかをお伝えします。

そもそもショックとは・・

何らかの原因で起こる急性全身性障害。
臓器や細胞に十分な血流がいかなくなって
酸素が欠乏して臓器が低酸素状態になっておこる異常な状態。

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ショックの5徴候

1.蒼白(Pallor)
2.虚脱(Prostration)
3.冷汗(Perspiration)
4.脈拍蝕知不可(Pulselessness)
5.呼吸不全(Pulmonary deficiency)

これらがショックの5Pと言われています。
1.蒼白
SpO2 70%以下で出現!
四肢や顔が青白くなって、冷たくなります。
チアノーゼはSpO2 85%以下ででてくるといわれていて、
唇が真っ青になります。
貧血の人はでにくいです。

2.虚脱
行動に落ち着きがなくなって、
不穏状態や、多弁になります。

3.冷汗
全身が冷たくじっとりと汗ばみます。
特に末梢でみられます。

4.脈拍蝕知不可
末梢の脈拍が蝕知できなくなります。

5.呼吸不全
呼吸不全が起こります。

ショックの段階

ショックの段階は3つにわかれます。
◎代償的段階(代償性ショック)
◎進行的段階(非代償性ショック)
◎不可逆的段階(不可逆性ショック)

◎代償的段階では、血圧を維持するために、
身体がなんとかフォローできている段階です。
①末梢血管が収縮する
血管がきゅっとなると広がっているより
血圧が高くなります。
血圧=一回拍出量×末梢血管抵抗です。

②心拍数増加
これも心拍数を増やすことで
血圧を維持しようとしています。
数を稼いで拍出量を増やしています。

③水分・塩分を体内に貯める
尿量を減らして、
水分や塩分を体内に貯めて、循環血液量を維持して
血圧を保とうとします。

◎進行的段階
ショックが進行してきた段階です。
「“非”代償」ですので、
他の臓器や機能で代償できなくなった状態です。
重要な臓器に灌流障害が起こります。

◎不可逆的段階
さらにショックが進んで、組織は重度の障害を受けます。
強い血管収縮と血管内凝固がされます。
酸素が臓器に届いてない状態ですから、
酸素を使わない嫌気性代謝が亢進して、
酸性物質が増えて、身体がアシドーシスにどんどん傾きます。

細胞膜の機能は破綻して、細胞の死が起こります。
そして、多臓器不全が起こり、死に至ります。

4つのショック分類

循環血液量減少性ショック
出血、脱水、腹膜炎、熱傷など

血液分布異常性ショック
アナフィラキシー、脊髄損傷、敗血症など

心原性ショック
心筋梗塞、弁膜症、重症不整脈、心筋症、心筋炎など

心外閉塞・拘束性ショック
肺塞栓、心タンポナーデ、緊張性気胸など

今回は以上です。
ショックの代償段階で異常に気づけると、
医師への報告やその後の行動に予測がつきます。
日々のアセスメントに役立つことができたら幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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