褥瘡を起こさないようにするにはまず原因からおさらい
上から
表皮→真皮→皮下組織
の順番になっています。
表皮はその名の通り一番上の見慣れている皮膚です。
真皮はその一番上の皮がめくれた状態で、
びらんが起きた時に見える部分です。
皮下組織はさらにその下で、
普段はなかなか見ることはない
白っぽい部分です。
褥瘡はなぜ起こるか?褥瘡の原因とは?
★圧力
★ムレ
★むくみ(浮腫)
★低栄養状態
★骨突出
人の毛細血管圧は32mmHgと言われています。
これ以上の圧が加わると
毛細血管が閉塞状態になって
皮膚組織の血流が途絶えてしまいます。
だからずっと同じ体勢でいたり、
同じ部分にずっと圧がかかっていると
褥瘡ができてしまいます。
皮膚が湿った状態でずっと過ごしていると
皮膚がふやけた状態になります。
常に汗や、尿、便などでの湿潤状態が続くと
普段の皮膚の状態より柔らかい状態なので
ズレや圧力がそこに加わると
皮膚が破けたり、めくれたりします。
湿潤状態を起こす原因が排泄物であると、
皮膚は弱酸性であるのに対して、
排泄物はアルカリ性なので、
炎症を起こしやすくなります。
むくみは皮下組織に組織間液が異常に溜まった状態です。
むくんでいると、皮膚がパンッと張ったような状態になりますので、
少しの外力で簡単に損傷しやすくなります。
血清アルブミン値2.8g/dl以下で
褥瘡発生のリスクが高くなるといわれています。
アルブミンはたんぱく質です。
アルブミンが低下しているという事は
たんぱく質が減少していますので、
筋肉量も減るし、骨は出て
皮膚の耐久性も低下します。
アルブミン製剤を見たことがある人は
わかると思いますが、
とろっとしていて濃い感じがします。
アルブミンは毛細血管から
血管の外に出た水分を回収して、
血管の内側と外側の水分量を調節する働きがあるので、
アルブミンが低下すると、
血漿膠質浸透圧が低下して、
水分が上手く血管内に回収することができなくなるので
胸水や腹水、むくみが起こってきます。
入院されてきた患者さんで、
まさしく骨と皮だなぁと思ってしまう時って
あると思います。
そんな時は要注意です。
2時間ごとの体位変換でも赤くなってしまいます。
そのやせ細った患者さんを想像していただけると
分かるんですが、
体位変換を行った時、
圧抜きのため腰の方に手を入れると
骨が手に刺さる気がする!という経験ないでしょうか。
骨突出していない患者さんは、
体位変換をしても、
圧を面で受けることができます。
骨突出をしている患者さんは
面ではなく点で圧を受けることになるので
皮膚が損傷しやすくなります。
以上縟瘡の起こりやすい原因でした。
次回も褥瘡について書きたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。