褥瘡はなんでいけないのか?
①皮膚の炎症が悪化して膿瘍などができる
②褥瘡から浸出液などが漏れ出て身体のたんぱく質などが出て栄養状態が悪くなる
③褥瘡から細菌感染を起こして、骨に行けば骨髄炎、血液に行けば敗血症
敗血症は死に直結する怖い病態です。
褥瘡はないにこしたことはないです。
寝ている状態(臥位)
★後頭部
★耳
★肩
★肩甲骨
★肋骨
★胸骨
★肘
★手首
★腰骨
★仙骨・尾骨
★ひざ内側の擦れ合うところ
★くるぶし
★かかと
座っている時にできやすい部位
★肘
★仙骨と尾骨
★かかと
縟瘡の発赤の見分け方とは?
消退する発赤なのか、持続的な発赤なのかを
見分ける方法でオススメされているのが、
「ガラス板圧診法」か「指押し法」です。
どの方法でも圧迫したところが
白くなれば、反応性充血と呼ばれるもので
縟瘡にはなっていないことがわかります。
確かめ方は簡単!
発赤(赤くなっている部分)を3秒間圧迫して
離した後に発赤がなくなるかどうかを見るだけです。
ためしに自分の皮膚をぎゅっと押さえて離してみると
一瞬白くなるのがわかると思います。
患者さんで体位変換の後、
赤くなっている部分があるなと気づいたら
一度指で3秒間押してみましょう。
発赤は褥瘡発生の初めの皮膚の変化です。
解剖学的に言うと
★一時的な発赤(反応性充血)
→真皮の深いところの微小血管の拡張
★持続する発赤
→真皮の赤血球が血管外に漏れ出したもので
すでに組織の破壊が起こっている状態
水泡も褥瘡の一部です。
これは、圧よりもずれの力が大きいとき、
密着度の弱い表層と真皮の間に
断裂が起きて発生します。
持続する発赤をみつけたら・・・
まずは除圧!
クッションなどを使用して
発赤ができている部分に強い圧がかからないように
ポジショニングを行います。
また摩擦によるズレを防止するために、
皮膚保護フィルムの貼付をすると良いです。
水泡も破れないように皮膚保護フィルムを貼付します。
褥瘡ができたという事は
そこだけではなく他のところにも
できやすい状態なので、褥瘡好発部位も考えたり、
その人の褥瘡ができやすそうなところには注意して
除圧をして褥瘡予防をしていくことが大切です。
除圧する時に便利なものがビニール袋です。
ビニール袋を手にかぶせるだけで
患者さんの圧抜きを行う際、
スルスルっと圧抜きが行いやすいです。
★同一体位を避ける
★除圧のポジショニング
★保湿
★皮膚の清潔を保つ
★(食事ができれば)環境を整える
★(可能であれば)離床を促す
2時間毎の体位変換が推奨されています。
耐圧分散のマットレスであると、4時間は大丈夫だと
言われていますが、
個人差がありますので、観察をしっかり行います。
また体位は30度側臥位が良いと言われています。
30度側臥位は半側臥位ともいわれ、
お尻と肩をぐっと引いて向いた方に上側の足を前に出すのが
完全側臥位といわれるものですが、
半側臥位は横に向いた後、クッションを背中とお尻にいれて
もたれてもらうような姿勢です。
体位変換時の注意点
◎服やシーツのしわは伸ばす
◎患者さんを引きずらないように体位変換をする
◎圧抜きをする
→側臥位だと下になっている方の肩や腰に手を入れて
軽く引くようなイメージ。
本当は頭の先から足の先までサーっと患者さんの下になっている側の圧を
抜くのが望ましいです。
乾燥した肌とでは、皮膚のバリア機能に差がでます。
乾燥していると、傷もつきやすいですよね。
高齢者は皮膚が乾燥している方が多いので、
保湿をするだけでも、全然違います。
オススメは白色ワセリンです。
便汚染や尿汚染など、
前回説明したようにずっと密着したままにしていると
炎症が起きます。
患者さんの排尿パターンを知って気にしてみると良いです。
食事をしっかり食べてもらうことは
褥瘡発生のリスクを下げることができます。
体位や周囲の環境や食の好みなど
患者さんが食べたくなるような介入が大事です。
ベッドから離れる時間を作ることが
褥瘡予防、しいては廃用症候群の予防に効果的です。
たまに見る光景で、
車椅子からずり落ちそうになっている患者さんがいたりします。
車椅子も一度座るとずっと一日中そのまま座っている
なんてことも起こりえますが、
2時間毎に体位変換をするのと同じように
座っている方の圧抜きも忘れず行う事が褥瘡予防には必要です。
最後まで読んでいただきありがとうございました。